Kanazawa Izumigaoka High School PTA 石川県立金沢泉丘高等学校
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活動報告 364/408
2003.03.19 環境講演会 日時:10:15〜12:15 場所:本校2階 大会議室
演題 「地域と環境」
−ドイツの街造りと社会的共通資本について−

北陸大学外国語学部教授の「三国千秋」先生をお迎えして環境講演会が開かれます。生徒が対象ですが、PTAの皆さんもご興味のある方はぜひご聴講くださいということです。
先生は、金沢の水と緑を守る会の代表や、地球の友・金沢の代表もしておられます。

1) ドイツ・スイスでの自転車交通によるまちつ”くりの実態
1976年ごろから 車道・歩道と分離確保された自転車専用道路が整備され、自転車利用者が増加した。車にくらべ、環境負荷(エネルギー消費 騒音 事故 大気汚染など)が小さい。市中心部は 車の乗り入れを規制し 自転車・歩行者・公共交通機関を中心
にしたまちつ”くりがなされている。
公共交通機関も充実しており、運賃・定期券も低価格、運行時間も長く、自転車をつみこめる、鉄道・バス、駐輪場の整備、パークアンドライドの整備もなされている。
 
2) 社会的共通資本
1.社会資本・・・・・道路・公共交通・川・港・ライフライン
2.自然資本・・・・・水・空気・土・土地
3.制度的資本・・・学校・大学・図書館・銀行・寺・神社

社会的資本は所有者が限定されず、社会みんなものであり、問題が起これば、みんなで解決しなければならない。ドイツで市民が環境問題に関心が高いのは、自然資本(水・空気)などは、みんなのものであり、きれいにしなければならないという、意識があるからである。そのため、市中心部でも戸外で食事ができるほど空気はきれいである。同様に、土地も社会的共通資本であるという意識が高いため, 市民が無理なく購入できる価格に抑制されている。この社会的共通資本は、”財産”であるため、増えもすれば、減りもする。次世代に、いかに残していくかが、我々の課題である。

3)科学技術の考え方について・・・・・科学分野へすすむ生徒へ提言
科学技術は、応用的技術であり、生活に影響を与える。便利さと同様に問題も生み、それをまた科学技術で解決している。
限界があるのではないか。科学は客観的であるが、環境(自然保護)を考えるとき、人間も自然の一部であるという意識が欠かせない。地域共通財産を守り、次世代に渡すために、今、何を選択すべきか、主体的に考えねばならない。

4)金沢のまちつ”くりの実態
市内高校生の協力による、”自転車マップ”    (市内書店で販売 500円)
スイスの自転車マップと比較すると危険箇所が非常におおい。自転車事故も多い。
道路行政が車中心に行われているためである。歩行者・自転車・公共交通機関を重視したまちつ”くりが急がれる。
   
金沢市 ごみ処理にかかる税金
    年間一人 13,500円!!!

ドイツ フライグブルグ ごみの量により 有料 平均年間一人5000円ぐらい ごみは自己責任
公共交通機関も安い
     
ごみはモラルの問題ではない。発生原因、処理のありかたを考えるべきである。

質問
大阪道頓堀を清掃したら、たくさんの自転車が捨てられていたそうだ。自転車のリサイクルシステムは、普及していないのではないだろうか。(2年 男子)

日本の自転車が安いのが関係しているのでは・・・・使い捨てになっていないだろうか。ドイツでは、1台 3〜4万円  部品・工賃が高いからだ。安い自転車の輸入を制限し、国内自転車産業を保護している。また、安全な自転車専用道路が整備されているため、自転車は市内の移動手段としてだけでなく、ツーリングなどを楽しむものとしての価値がある。安いキャンプ施設も整備されている。日本では、ここ何年かのあいだに、町の自転車屋さんが、廃業、縮小においこまれ、直すより、買い換えるように勧められる。金沢は、坂が多く、天候も悪いから、自転車交通が普及しない、と言われている。しかし、スイスも坂・山が多く、天候も悪い。が、自転車を利用した観光施設が整備され、市民は楽しんでいる。金沢も自転車のための街造りがすすめば、車の渋滞、事故も減り、自転車が楽しめるまちになると思う。

ドイツ フライグブグルグ、スイス バーゼルなどの環境先進都市の交通・リサイクルの様子をたくさんの、スライド、資料で説明していただきました。

聴きにいらした2年女子のお母様の感想
高校生が毎日危険な道を通学しているのを見て、心配です。交通問題も、ごみの問題も、行政は、現在だけをみるのではなく、何年も先を見なければならないと思いました。

2年男子のお母様
金沢市はごみの分別が進んでいるので、たいへんですね。周辺地域では学んでいく点が多いです。講演では共感するところが多く、子供と話し合ってみたいと思います。

三国千秋先生





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