Kanazawa Izumigaoka High School PTA 石川県立金沢泉丘高等学校
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活動報告 259/394
2009.05.23 平成21年度 田中PTA会長 入学式祝辞 日時:2009.04.08
北陸の春は遅いと言いながらも今年の冬は暖冬だったせいか、吹く風がすっかり春の匂いを感じさせる金沢の四月。
今日の佳き日に入学を迎えられた皆さん、誠におめでとうございます。
また、今日の日をどんなに待ち望んでいたか、ご列席の保護者の皆様、お子様の晴れの姿をご覧になり胸に熱い想いがこみ上げて来ていることと思います。
改めてお祝いを申し上げます。
ご入学おめでとうございます。
さて、新入生の皆さんは今大きな希望に満ち溢れていることでしょう。自分なりの夢を抱いていることでしょう。
もちろん、明確な夢をまだ持っていない、何を目指せばいいのか分からないという人もいるでしょう。
皆さんの年頃はどうしても周りの人の意見や行動が気になったり、人と自分を比べ、他の人と一緒でなければならないと思い悩んだりもします。
でも、あせる必要はまったくありません。自分がどう生きたらよいかを真剣に考え悩むのが青春時代なのです。
人間が他の動物と違う点は悩む存在だと言うことかも知れません。誰もが悩み、苦しんだ末に“殻を破る”その繰り返しが人間を成長させて行くのだと思います。
“百花繚乱”という言葉の意味はさまざまな花が咲き乱れる様子のことです。
一人ひとりが自分だけの種を持って自分らしい花を咲かせることが大切なことなのです。

室生犀星という小説家を皆さんは知っていることと思います。
彼は“泉鏡花”“徳田秋声”らと並ぶ金沢を代表する三文豪の一人です。
“ふるさとは遠きにありて思うもの、そして悲しくうたうもの”という詩はあまりにも有名ですが、彼は今から120年前の1889年に金沢市千日町に生まれた方です。
生後、両親の顔を見ることなく貰われて行き私生児として届けられました。
7歳のときに貰われていった先の養子になるのですが、9歳で実父が死に母は行方不明となり生涯、肉親の愛情をうけることがなかったといいます。12歳で育ての親の言いつけにより高等小学校を中退し家計を助けるために働き出したのです。
貧困の生活の中、先輩たちの影響を受け文学に興味を持つようになり、21歳のときどうしても物書きになりたいという思いを抑えきれず、やみくもに故郷を捨て上京したのです。
そして、今まで以上の貧困のどん底の中で小説家としての活動を続け、後に数々の賞を受賞し文豪とまで呼ばれるようになったのです。
彼をここまでさせた原動力とはいったい何から生まれたのでしょうか。
それは“なりたい”“自分ならなれる”この一念、願望ではないでしょうか。
彼の時代とは違い今は“なろう”と思えば“なりたい自分”を目指せる時代です。
そして、皆さんは“なりたい自分”になれる選ばれた人間なのです。
努力した結果届かなかった時の後悔よりも、初めから努力もせず諦めて挑戦しなかった時の後悔の方がはるかに大きいということを知って欲しいのです。

最後に皆さんがスポーツでも芸術でも学問でも仕事でもどんな分野に付こうと、他の人を見下さず、己を誇らず、周りの人に心から感謝が出来る、そんな人間を目指して下さい。
元気に大人への階段を一歩踏み出した皆さんにエールを送ります。

平成21年4月8日
石川県立金沢泉丘高等学校
PTA会長 田中 和彦






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