2012.03.02
平成23年度 卒業式 奈良PTA会長 祝辞
卒業生の皆さん、そして保護者の皆様、ご卒業おめでとうございます。
本日、PTA会長として、このような機会を得ましたことを誠に光栄に思っております。
今みなさんは、村澤校長先生から、深く、そして心ある言葉を賜り、石川県という行政から、高い教育の恩恵を受けた実感を抱いておられることと思います。
さて、私は今から何を話したらいいのでしょうか?
朝まで考えていましたので、ほとんど眠れませんでした。
今日は、みなさんにとって、とても大切な時間です
書き記すことにしました。
私は高校時代、あまり褒められる学生ではありませんした。私が出席した卒業式でのPTA会長の話しなど、記憶には全くありません。
今ここに立っていて、みなさんの前で話す自分に、不思議さをも感じています。
私には高校時代の友人との絆があります。その想い出は、今も鮮明です。
しかし、今日まで、自分の人生も平坦なものではありませんでした。僭越ではありますが、その経験の中で、話しを聞いて頂きたいと思います。
みなさんは、この三年間、青春という時間を刻みました。
学業に、またクラブ活動に、懸命だったその成果が卒業証書に込められています。その頑張りに、心から共感しています。
一生懸命努力すれば、何かを得られるすばらしい経験だったと思います。
これからは、更なる困難が、待ち受けているかもしれません。
経験した努力では、足りないかもしれません
しかし、その努力を続けることで、必ず光が観得てきます
先生に、親に、兄弟に、人に、感謝を捧げていれば
その光は何倍にもなることでしょう。
「温故知新」という言葉があります。
言うまでもなく、故きをたずねて、新しきを知ることです。
私は「温新知故」という言葉を創りました。
新しい挑戦の中で、故きを知ることが、今は大切だからです。
それが、現代語における伝統だと思います。
アンデロイドの開発で知られ、ロボット工学者である石黒 浩 教授は、
「科学とは、誰も見たことがないものを造るもの」
「芸術に設計図を付けて、再現性を持たせるのが科学だ」と述べています
芸術を志す私には、「芸術家とは、新しいものを創りだす仕事」そのように思っています。
本物の技術や見たことのないものは、社会を変えていきます。
科学と芸術が一体すると、それが「文化」だと思います
私は、新しいもの、見たことのないものが好きです。
しかし、昔の白黒写真は、我々に何かを語りかけてきます。
私には、茶道における茶碗も同じように見えるのです
遠くない昔ですが、人は写真を発明しました。
白黒写真は映画となり、カラーとなってブルーレイとなり、その英知は、3Dと呼ばれ三次元の映像を可能にしています
それも、ついこの前まで、日本の技術だった気がします。
日本の国力、尊厳は、他国からの同情があっても、
大きく低下してしまいました。
先般、講演された藤原正彦さんが危惧されたように、
我々が日本人として、年上を敬い、互いを信頼する
武士道精神もなくなってしまいました。
ただ、国民の全てでないことだけが、救いです。
福島の原子力発電所は
廃炉まで、30年から40年かかると言われています。
仮に35年とすると、あなた方は、私の年齢です。
わが国の未来は、間違いなく、あなた方の生き方に委ねられています。
大人は勝手です。風水や儒教を忘れた我々は、神社で神頼みをします。
学生は勉強が続けられ、就職できること、
商売を営む人は商売繁盛、
農業を営む人は豊作で売れること、
漁業を営む人は大漁で安全なこと、
サラリーマンは高い給料を得て、失業しないこと、
そして若い人は、結婚、子供、家庭、その安泰を望みます
老人は低い医療費で、世話をしてくれる人が必要になります
たくさんの願いは、叶うのでしょうか?
天災や災害から、守ってくれるのは誰なのでしょうか?
それぞれの領域に優れた経験者がいます。
そして、これからのスペシャリストも必要です。
今、あなた方の将来は、社会風潮に従うと
明るい未来はやって来ない気がします。
高校の先生や親が、将来を決めてくれるはずはありません。
自分自身で考え、進まなければならないのです。
私は仕事で、多くの国々に行きます。
そして、愛国心が湧いてきます。
もちろん、我が国は暗い話題だけではありません。
我々も頑張ります。
これからは、あなた方も、
この国を変えて、救っていく一員となって下さい。
新しい挑戦の中で、故きを知り、感謝の心を持って
これからの人生を生き抜いてください。
日本を担っていくのは皆さんなのです。
立派な卒業式が執り行われています
村澤校長先生はじめとして諸先生には、
子供達を御導き頂き、ありがとうございました。
保護者の皆様には、PTA活動に
ご理解、ご協力を賜りましたことに、深く御礼申し上げます。
そして、今日を限りに、卒業するみなさん
この泉丘での絆を大切にして下さい。?
「仰げば尊し」
幸多からんことをお祈りし、祝辞とさせていただきます。
ありがとうございました。
平成23年3月2日 PTA会長
奈良年夫(大樋年雄)