2015.03.07
平成26年度 卒業式 不室 康昭 PTA会長 祝辞
日時:2015.03.03
本日の晴れの門出を迎えられた皆さん、卒業おめでとうございます
また、ご指導を賜りました先生方並びにPTA活動にご協力を頂きました保護者の皆様に心より感謝申し上げます
PTAを代表し、卒業生の皆さんにお祝いを申し上げます
中国、唐の時代の僧侶であった瑞巌和尚は毎日毎日、自分に向かって「主人公よ」と呼びかけてから「目を覚ましているか」と問いかけ「はい」と返事をしていたといいます
瑞巌和尚はいつも自問自答をしていたという話で有名になり、後に「主人公」という禅語が生まれました
現代では小説やドラマなどの主役をさす言葉として用いられていますが、本来の意味は自分の本性を見据えるということなのです
誰でも自分というものが明白にあると思っていても、少し掘り下げてみれば周りの動向を気にしていたり、逆に周囲のことが見えていなかったりするもうひとりの自分がいることに気付きます
この自問自答は常に本来の自分として目覚めているかどうかを検証するという呼びかけなのです
こんにち、私たちを取り巻く環境は唐の時代とは比べ物にならないほど情報量や刺激が大きく、周囲の言動や動向に目を奪われている間に自己を喪失しがちです
しかしどんな時も、この瑞巌和尚のように「主人公よ」と心の中の自分自身に問いかけ、
「主人公」としての本来の自分を持って人生を歩んでほしいと願っています
今日の日を境に皆さんはそれぞれが選んだ新たな道を進むこととなりますが、この学び舎で培った経験や友情を糧に、そして導いて下さった先生方やご家族への感謝の念を胸に次なる段階を目指してください
皆さんの前途が輝かしいものであることを祈念し、餞の言葉といたします
平成二十七年三月三日
金沢泉丘高等学校 PTA会長 不室 康昭