Kanazawa Izumigaoka High School PTA 石川県立金沢泉丘高等学校
HOME
活動報告
組織と役割
年間行事
活動Q&A

ご意見・ご質問
HOME
活動報告
組織と役割
年間行事
活動Q&A
活動報告 248/394
2010.04.03 平成21年度 卒業式 田中PTA会長 祝辞
祝辞
長かった冬が終わりを告げ、この北陸の地にも春の訪れが感じられる弥生三月。
今日の佳き日に卒業を迎えられた皆さん、本当におめでとうございます。
また、本日ご列席を賜りました保護者の皆さま、教職員の皆さまのこれまでのご支援とご協力に対しまして敬意と感謝の意を表しますと共に、御来賓の皆さまの日頃のご支援に対しましても厚くお礼申し上げます。
さて、卒業生にとってこの学校で過ごした三年間はどんな日々だったでしょうか。
初めて顔を合わせた同級生との出会いから始まった高校生活、球技大会、修学旅行、
記念祭、それから忘れられない部活動など今思い起こすと、いろんな人との出会いと沢山の思い出が蘇って来ることでしょう。
高校三年間は人間形成をする上で最も重要な時期だと云っても過言ではありません。
その重要な時期を過ごしたこの学校での思い出は皆さんの一生の宝物になることでしょう。

前期日程の発表を待ち後期日程を控えている今、卒業生は勿論のこと保護者の皆さん、先生方も落ち着かない日々をお送りしていることと思います。
ここで皆さんがここ数年間取り組んでこられた受験勉強について触れてみたいと思います。
云うまでもなく志望校に入学するときは一定の学力を要求されますから受験勉強は避けて通れません。全力で取り組んだ受験勉強であっても結果が必ずしもついてくるとはかぎらないでしょう。合格があれば不合格があることは現実として受け入れなければなりません。
前者であれば申し分ないのですが後者の場合に受験勉強とは無意味なものだったのか、無駄なものだったのかと考えるとき、必ずしもそうではないと思うのです。
受験勉強で得るもの得たものは沢山あります。
自分の性格の弱い部分や限界を知ることもあるでしょう。何事からも逃げない生き方の土台を作れた人もいるでしょう。努力すれば報われる事が世の中にあることを実感する人等々。様々な気づきが出来るのではないでしょうか。
今の目標が志望校に合格することにあることは承知しておりますが人生の最大の目標はもっと大きく高い所にあるのではないでしょうか。
そう考えるとき受験勉強とは様々な財産をもたらせてくれます。
受験勉強で得た“知識”もそうですが、追い込まれて頑張った体験そのものが宝物ではないでしょうか。そしてそれは受験勉強に限らず人の一生においても同じようなことが言えるのです。
人の幸せというものを考えたときに良いことが沢山あることが幸せなんでしょうか。
君たちの高校生活の三年間は楽しかったこと、嬉しかったことばかりではなかったと思います。
辛く苦しかったこと、思い通りにいかないこともたくさんあったでしょう。
これからの皆さんの人生もまた、自分の思い通りになることとならないことの繰り返しです。
思い通りにいかない。予想とは違う結果になってしまう。或いは先が見えずに身動きが取れない等々。私たちは時としてこのような逆境に立たされることあります。
不安になったり悩んだり、時には恐怖を感じたりすることがありますが、はたして逆境とは悪いことばかりでしょうか。私はそうは思いません。例えば、高くジャンプしたい時は体を出来るだけ低く屈めて力を溜めるでしょう。人生においても同じことが云えるのです。より高い目標に到達したければ、より低く屈まなくてはならないのです。
この低く屈む辛い時期こそ、人は力を蓄え成長することが出来るのです。
皆さんもご存じ通り先のバンクーバー冬季五輪のフィギュアスケートの高橋大輔選手が見事に銅メダルを獲得し、日本に明るい話題をもたらしてくれました。
フィギュア日本男子の歴史を次々と塗り替え初のメダルをもたらした高橋選手にも、例外なく辛い時期がありました。
2008年10月に練習中に右ひざ靱帯断裂という大けがを負ってしまって、今回の五輪は絶望視された時期もあったようですが、その逆境から失いかけていたスケートに対する情熱
を取り戻し目標に向かって毎日を過ごし見事にメダルを獲得したのです。

今日、私が卒業生の皆さんに伝えたかったことは、人生において努力は決して人を裏切らないと云うことと、人の幸せとは良いことが沢山あるから幸せなんじゃなくて、苦しみや悲しみを希望に変える力があるからこそ、人は幸せを感じることが出来る。この二つのことです。

最後になりましたが浅田校長先生をはじめ教職員の皆さまからは厳しくも愛情をもってご指導頂いた卒業生は幸せだったと思います。本当にありがとうございました。
保護者の皆さま、いよいよ子供達にとっての親離れ、と同時に我々にとっての子離れの時が来たようです。少しさみしくなりますが
これからは親と云う字の如く少し離れた所から木の上に立って子供たちの成長を見守って行きましょう。
本日は誠におめでとうございます。


平成22年3月5日 
石川県立金沢泉丘高校
PTA会長 田中 和彦






活動報告アーカイブ
© 2015 Izumigaoka Highschool PTA All rights reserved.