Kanazawa Izumigaoka High School PTA 石川県立金沢泉丘高等学校
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活動報告 228/394
2011.03.04 平成22年度 卒業式 石山PTA会長 祝辞 日時:2011.03.04
金沢泉丘高校第63回卒業証書授与式祝辞

 十年ぶりの大雪の中、「春」という響きが待ち遠しかった時期から、草木には小さくではありますが新芽が見えるようになり、微かではありますがまた、確実に春の足音を感じるようになり、本日ここに金沢泉丘高校第63回卒業証書授与式にあたりまして、PTAを代表してお祝いの言葉を申し上げたいと思います。
 
 改めまして、357名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様方におかれましてもお祝い申し上げます。本当におめでとうございます。
平成20年度の新しい学校生活に対する希望と不安の中での入学以来、3年間金沢泉丘高校に通い卒業生の皆さんには、学業、部活、学校行事等に取り組み、夢中で駆け抜けた三年間を、それぞれがいろんな思いを持って本日をお迎えになられたことと思います。おそらくというより間違えなく充実した、また確実に成長を遂げることができた時間を過ごしたのではないかと思います。
そういった環境を整えて下さった校長先生を始め教職員の皆様方には感謝の念が絶えません。本当にありがとうございました。また、本日このような厳粛で晴れやかな場を設けていただきましたことに対しましても、保護者の一人として改めて厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

これから、卒業生の皆さんはそれぞれが新たな道を歩み、いろんな形で活躍をなされていかれることであろうと思います。
昨今、国際社会の情勢は日一日、刻一刻と変化が激しい時代です。インターネットの普及によって情報の入手が容易になり、あの中東及び北アフリカの国々おいても激しい変化が起ころうとしております。新しい時代の幕開けが始まったように感じます。
卒業生の皆さんが生まれる前の出来事でありますが、ベルリンの壁の崩壊により、東西ドイツが統一し、冷戦終結へと向かう時期がありました。「過去に対して目を閉ざすものは、未来に対してもやはり盲目である」という有名な一節を言ったのは、当時のドイツ大統統リヒャルト・カール・フォン・ヴァイツゼッカーです。彼のこの言葉は、過去のドイツの行動の反省から生まれた言葉であると思われます。元来キリスト教神学者でもある彼は、人間そのものにも当てはまることを見越していったのではないかと思います。今置かれている立場、現状を正確に把握することによって、これからの進むべき道を知るための指針としての言葉のようにも思われます。未来、過去、現在の関係を示したのではないかと思います。さらにヴァイツゼッカーは「自由民主主義体制において必要な時期にたちあがるなら、後で独裁者に脅える必要はない、つまり自由民主主義擁護には法と裁判所だけでは不足で市民的な勇気も必要」と言っています。今、世界で起きていることにも当てはまります。この「勇気」という言葉には、若者が持つ特権のように感じることが出来ると思います。一つの時代の幕開けは、必ず若い方のエネルギーが既成の概念を打破するであることは歴史が証明しています。

 さて、日本において過去に目を向けてみますと、幾つかの変革期を経て、今に至っているわけです。明治維新、第二次世界大戦後、オイルショック、バブル崩壊、そしてリーマンショック等がありました。昨今の出来事もネガティブに考えるのではなく新しいものが生み出される一つの契機なのかもしれません。その中で明治維新は、坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通等の数えきれないくらいの、若い力の結集により一つの流れを創ったわけですが、鎖国の環境の中からでも世界を見つめた人たちがおり、その下地があったからこそではないかと思います。限られた情報しかなく、小さな窓から世界を見つめ、さらにはその背景までも予測した人たちがいたからではないかと思います。情報は少なくても、分析する力が重要である証明ではないかと考えられます。分析するには、おそらく絶え間ない努力によって得た知識から、自らの教養に変えることが出来て初めて成せることではないかと感じます。司馬遼太郎の小説「花神」の主人公である大村益次郎の存在がそのように感じられます。「時代が彼を求めた」という表現で書かれています。彼の絶え間ない努力と飽くなき向学心、類まれな分析力が時代を引き寄せたのかもしれません。情報が氾濫する今だからこそ、大きな窓を持った今だからこそ情報を処理し、分析する力は重要に思います。便利になった社会には、さらなる情報処理能力と分析力が問われると思います。また、彼を世に送り出すために最大の理解者であり、支援者として桂小五郎の存在が欠かせません。人との出遭い、絆が進むべき道を決定したと言えるでしょう。

 勇気は行動を起こし決断を下す裏づけであり、継続された努力は自信と忍耐力を生むものであり、知識は経験と実践によって教養へと変わり、若さは可能性を含んでいます。また、人との出遭いは人生の歩みを豊かにすることでしょう。開校以来の高い教育理念である「心身一如」の精神の下で、成長なされた皆さんは、これらのことをすでに肌で感じていることであろうと思います。今後本校の卒業生として、矜持と責任を自覚して行動をしていただければ幸いです。
 
 新たなスタートは、自立と成長をさらにもたらし、新たな出遭いが待っていることでしょう。皆さんが成長いく姿は、逞しくもあり、少しだけ親としては寂しさが募るかもしれません。しかし、自立していくことを誇りに思わない親は一人としていないでしょうし、協力を惜しまないでありましょう。最大の理解者であり、支援者でもあります。今、この場にいる沢山の人たちも同じであります。友人、恩師、親御さん、いろんな人たちと繋がりを持っています。必ず支えてくれることでありましょう。それこそが3年間の歩みが素晴らしいものであり、真実の絆があったと言えると思います。
 
 高校生活との別れは名残惜しいかもしれませんが、新たな旅立ちでもあります。人間の顔は前を向いています。前を向いて進むためです。目標をしっかりと見つめ明るく歩みましょう。悩んだ時には立ち止り過去を見つめ直せば、ここでの経験が勇気と自信を与え、現状を再確認し、未来への指針を示してくれるに違いありません。改めて卒業生の皆さんにエールを送りたいと思います。充実した人生を歩んで下さい。

 最後になりましたが、保護者の皆様にはPTA活動に関しまして、多大なるご理解、ご協力を賜りましたことに御礼申し上げます。つきましては、これからも金沢泉丘高校に対し変わらず温かいご支援を賜れば幸いです。以上を持ちまして、卒業式の祝辞とさせていただきます。

卒業生の皆さん、本日はご卒業、誠におめでとうございます。


平成二十三年三月四日       
金沢泉丘高校PTA会長 石山 直哉 






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